『一生忘れられない光景』イタリアでの大道芸コンテスト完結編 | バルーン王子アキのコラム

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前回からの続きです。

結果発表を残しての長い沈黙、楽しみにしてくださっていた方本当にすみません。

 

途中結果では、なんとハイレベルな海外パフォーマーを抑えての１位。

自分と海外でも有名なアクロバットの方の上位２組が断トツで得票数を稼いでいた。

もちろん１位という結果に驚きはしたが、ここから自分がやることに何も変わりはない。

冷静な頭に反して自分の心がとても熱くなっているのを感じながら、残された最後のステージに全力で挑んだ。

 

やりきった。

後悔はない。

すごく気持ちよかった。

 

 

そしてあっという間に夕方。

観客が次々に投票する中、小さな子供がおじいちゃんと手をつないでやってきた。

子供はもう衣装を脱いでいた自分に気付いていなかったが、『AKI～♪AKI～♪』と歌いながら投票してくれた。

これだけでもうれしかったが、おじいちゃんは気付いてくれて、こう言ってくれた。

『うちの孫がね。君を応援したいって言うんだ！そう言っている方は周りもたくさんいたよ。だから頑張って！』

イタリアにもこんなに自分を応援してくれている人がいる。

…本当に本当にうれしかった。

 

日も陰った頃、投票が終了。

これと同じ頃、本部の大会場では海外の方の圧巻のナイトパフォーマンスが行われており、それを堪能していた。

素晴らしい！すごい！かっこいい！

単純だがこの言葉に尽きる。

これが海外のトップクラスのパフォーマンスか…

このひとときは自分もパフォーマーから観客に戻り、興奮と感動を覚えながらパフォーマンスに夢中になっていた。

 

 

そしてついに閉会式。待ちに待った結果発表の時間となった。

結果発表では、優勝者だけが名前を呼ばれてステージに上がり、トロフィーを受け取る。

自分の中にあったのは、途中結果で1位となった自信。超満員の中できる限りのパフォーマンスをやりきったという気持ち。

あとはただ祈るだけだった。

 

そして…

読み上げられたのは自分ではなく海外のアクロバットの方の名前だった。

負けた。

たったの1点差。でも負けに変わりはない。

その場を立ち去ろうとした。その時、

『今回、初参加にも関わらず日本から来たパフォーマーが優勝者と堂々と闘い素晴らしいパフォーマンスを見せてくれた！』とMCさんの声。

するとその瞬間、会場から『AKI～！！AKI～！！』と子供だけでなく大人までもたくさんの方々が叫んでくれた。

突然の出来事にビックリして固まっていると、MCさんがこう続けた。

『AKI～！この会場にいるんだろ？ステージにあがってこいよ！！』

やっと状況が理解でき、自分はうれしさでいっぱいになり駆け足でステージに飛び上がった。

会場からは惜しみない拍手と歓声。

 

『よかったぞ！』『楽しかったぞ！！』『また来いよ！！』

 

本当にありがとう。紛れもなく自分に向けられたお客様からの拍手と歓声を前に、ただただ感謝の気持ちがこみ上げた。

 

 

結果は準グランプリ受賞。

もちろん結果だけを見れば負けかもしれない。でも、得たものは想像していた以上に大きく、自分をまた１つ大きく成長させてくれた。

風船を早くひねることじゃない。ギミックを見せることでもない。そんなことよりもっと大切なものがあると気付かせてくれた。

ドイツでもがき苦しんだ末に得た成功や感覚を活かして挑んだイタリアでの大道芸コンテスト。ここではさらにたくさんの大切なものを学ばせてもらった。

 

ありがとうイタリア！ご飯もとっても美味しかったよ！

必ずまた来るよ。いっぱい練習してもっともっとすごくなって戻って来てみせるから。

 

 

これでイタリアでの大道芸コンテストのお話は完結となります。

次回もお楽しみに！

 

バルーンパフォーマー　アキ

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